[kouryukan 290] 無精な割り箸利用  2000/3/11  西岡泰久
2000/03/11 0:32
Subject: [kouryukan 290] 無精な割り箸利用

割りばし集成材、ノリとプレスがあれば、割と簡単に出来るような気がします。ノリは集成材用のやつをMMKでもらってきて、プレスは、鉄板かコンパネの間に材料を挟んで、重機でも乗せておけばよいでしょう。
実は似たような構造のものがアメリカ、カナダでは製品になって、建築用の構造材として日本にも入ってきています。ただし、「割りばし」とは違い、本格的に工場で生産されるものですが。
たしか、「パララム」とかいう名前だったと思います。木材を繊維方向の小片に粉砕して、もう一度、繊維方向に揃えて接着剤で固め成型したものです。
交流館の組合が入っている建物の内壁(OSB)の、あの板のそれぞれの木っ端が、割りばしと思ってもらえばOKです。

でも、発想は「割りばし集成材」と同じで、廃材利用です。製材品にならない部分を小さく砕いて、再生しようというものですから。
規模が違うといえばそれまでですが、欧米の木材産業は、一本の丸太をとことん利用する中で採算ベースにのせることを考えているようです。つまり、まっすぐで太いものは製材して、柱や板をとり、そうでないものは剥いて合板やLVL(交流館の柱)にし、そこまでもいかないものはOSBに、皮は堆肥にして、残りは燃料にするという具合に。
それに比べて、日本では、まっすぐな丸太しかお金にしません。それで儲からない、といっているわけです。
そういえば、欧米では温暖化対策と自国産の燃料確保と、農林業の活性化の面から、バイオマス発電ということに、目を向け始めています。長くなるので、これはまた別の機会に。

最後に、何年か前、割りばしが森林破壊の元凶のようなことを言われたことがありました。事実と違う、ヒステリックな議論に、森林に関わるものたちとして何か違うな、という思いが募り、一冊の本にまとめたことがありました。
「割りばしが森林を救う」というたいとるだっかな?興味のある方、村の図書館を覗いてみて下さい。なければ、探して送ります。